東京電力株式会社・電事連の無回答に対する声明
私たちは4月27日、東京電力及び電事連に対して、福島原発事故避難区域における動物の救出に関する要望書を提出しましたが、回答期限5月9日を過ぎても何の回答もありませんでした。
福島原発事故で避難を余儀なくされた地域は、酪農も農業も盛んで自然の豊かさに満ちあふれた地でした。犬は人々に寄り添って生き、猫は畜舎の周りに住み着くネズミの天敵として、しっかりと役目を持つ仲間であったはずです。
人間以外の動物も含めて、豊かな環境が保たれていたのです。
その環境が東京電力による立地選定の誤りと杜撰な危機管理に起因する原発事故によって突如破壊されました。
その後、特権的な地域独占会社である東京電力を守るために汲々としている行政の初動の遅れ、怠慢な方策のために、動物たちが放置されたまま2ヶ月経ちました。
多くの国民の願いにも拘わらず、無辜の畜産動物・家庭動物たちのために有効な給餌給水、救出に向けた方策がとられなかったことから、餓死や共食いという悲惨な状況に陥っていることは、先進国・文明国を標榜する日本として恥ずべきことです。
これを動物のいのちを軽んじ、人々の願いや悲しみを踏みにじる非人道的行為であると非難する声は世界から届いております。
国が無為無策同然であることから、動物たちを救出したいという多くの動物保護団体や個人ボランティアが自主的に動かざるを得ませんでした。
私たちがこのような努力をしなければならなかったそもそもの原因を作った責任者は東京電力にほかなりません。
東京電力と、同社原発事業を支える電事連が、私たちの働きかけ・活動の支援要望に対し、何の反応も示さなかったことは不誠実極まることであり、原発事故をもたらした責任者としてあるまじき態度であるというほかはなく、怒りを禁じ得ません。
私たちは改めて上記両者に対して、これまでの姿勢を反省し、適切な対応を速やかにとられることを求めます。
2011年5月25日
動物ボランティア団体全国民間ネットワーク 代表 太田成江