THEペット法塾、被災住民の会、TNR日本動物福祉病院(犬猫救済の輪)、APF通信社、全国動物ネットワーク連名による「福島警戒区域残留犬猫救護、管理に関する緊急措置の要望書」を準備しました。賛同される団体や個人の方に、こちらの書面を用いて署名提出を呼び掛けております。
福島警戒区域にはまだまだ沢山の犬や猫が取り残されて苦しんでいます。子猫も産まれています。11月23日の当会参加によるレスキューでも、首輪のついた猫や不妊手術の終わっている、明らかに飼われていた猫が保護されました。放射線量の多い山岳地帯が完全封鎖されれば、そのエリアに残った命に食糧や捕獲器を差し伸べることはできません。
動物愛護法では、愛護動物に給餌・給水を行わないことは虐待であり違法です。
当初、同伴避難を認めず、警戒区域からペットを連れ出してはならないとした国の方針こそ違法なのではないでしょうか?2012年1月26日以降は飼い主さんはペットを持ち出しできるよう変更されましたが、それまでは飼い主さんでも勝手に連れ出せなかったのです。現在も、飼い主さんが餌やり・水やり、ペットの持ち出しを目的として立入を申請しても、町村は「県の許可がないからダメ」と認めません。
県に言えば「町村の許可がないからダメ」と結局はたらい回しです。
飼い主さん本人も、別の目的で入って、ついでに連れ出すことしかできないのです。
未だにこのような事態が続いていることを、国民の皆様に広く知って頂きたいのです。
世界が、国民が見守る中、助けられるのも助けられず、多くの犬猫、畜産動物がこれまでに餓死や凍死・薬殺によって悲惨な死を迎えました。ここに動物愛護法違反、違法性が見られるのは当然ではないでしょうか。
命に間に合うかどうか、保護活動は時間との勝負でした。
当初から、助けるためにはすぐに動かねばなりませんでした。
失われた命は戻ってきません。でもまだ間に合う命があります。
昨年12月7日~27日の環境省・福島県により公式に認められた「黄色いリボン」をつけた16団体が警戒区域で活動をし、犬34匹、猫298匹を保護しました。あのときのように公式に認められれば私たちは堂々と活動できます。再度の黄色いリボンを、と訴えても、私たちが「カイドライン違反をした」との理由から、県は頑なに民間団体による警戒区域での保護活動を認めません。
その違反内容は、餌をやった、規定時間に戻ってこなかった、中継地点を通らず帰った、関係のない人間が黄色いリボンをつけて車を走らせていた、というものです。
では聞きたい、餌で慣らさずにどうやって捕獲ができるのですか?
そもそも餌をやるなは違法です。そんなことを行政が堂々と言ってもいいのですか?
警戒区域では通行不能な道もあり、ナビも通用せず、迷って遅れた団体があったとしても、仕方ありません。
たった5時間の立入許可で、たどり着くだけで大変なことです。
そこに餌付けし捕獲する、それも数カ所を回るのです。
放射能の恐怖もあります。そのなかで、放っておけずに仕方なく民間は動くのです。
本当なら行政や事故原因者が行うべき保護・給餌給水であるのに、飢えているまま放置、増えているまま放置、の現状を見かねて民間ボランティアが動くしかないのです。(1億円の税金を使って保護活動をしている国・県は、やっと10月に続いて12月に保護活動を再開しました。)
「保護する」ことが目的であるのに、重箱の隅をつつくような細かなだめ出しを行い、民間団体の活動に足かせをするのは恥ずかしくないでしょうか。
どうしてもガイドライン違反は許せない、とおっしゃるなら、あのとき違反をした団体を除外すればよいのではないでしょうか?
日本の行政が、警戒区域に残された動物たちに行ったことは、歴史に刻まれ忘れられることはありません。
私たちは餌袋等ゴミの片付けを行っております。
私たちは飼い主さんから依頼を受け、許可を得て捕獲器を仕掛けています。
私たちの方が、犯罪者なのですか?
探している飼い主さんがいらっしゃいます。
待っている犬猫がいます。
行政による保護活動では追い付きません。
民間団体、ボランテイアが警戒区域に堂々と立ち入り、犬猫を救出できるよう皆様のご協力をお願いいたします。
保護できるまでの給餌給水や警戒区域内で不幸な命が増えないようにする不妊措置(TNR)も要望書にふくまれております。
環境保全のためにも、不幸な命を増やしてはなりません。