11月13日、茨城県知事宛に、2つの要望書を提出して参りましたことをご報告申し上げます。
■1つは、鬼怒川決壊により被災された方の住まいの確保に関する要望です。(こちらは、常総市役所にて高杉市長宛に、そして関東財務局つくば出張所にて所長宛に、同じ内容の要望書を提出いたしました。)
いずれも全国の皆様から寄せられた14638筆の署名を添えてございます。また、コメントも多数寄せられておりますので、併せて提出いたしました。
動物同伴避難者には、公的な住まいが準備されておりませんので、避難所閉鎖により行き場を失う方が出てまいります。公務員住宅も県営住宅も、犬猫を抱えた方は入居を拒否されています。また、現に、常総市内の今ある避難所には、動物を入居させるところがなく、小型の老犬がこの寒空に、外に置かれております。
先日は、石下体育館のなかに隠れて居るのをみつかって外に出された病気のシーズーが、その夜の2時に衰弱死しております。水害で亡くなるのでなく、避難所で亡くなったことから、まだあきらめがつかない飼い主さんの苦悩は小さくありません。
多くの方が友人や親戚に動物を預けて生活されていますが、その預かりに関する相談は当会に寄せられ、昨日もあすなろの里から新たな犬の預かり依頼があったばかりでございます。
あすなろの里からはたくさんの動物を引き取りましたが、支援物資を置かせて頂こうとすると、「動物の餌は邪魔だ、犬猫の問題は常総市には存在しない、人間で手一杯だ」と所長から言われました。避難所に同行避難で連れてこられた犬猫は、数も多くはありません。
しかし、ほんとうに犬猫の問題はないのでしょうか。 物資を配りながら歩けば、避難所で犬猫をつれていけないからいっしょに心中を覚悟で家に残られた方、水死した犬を思って嘆き悲しむ方、決壊の直前に首輪をはずした犬をいまだに探していらっしゃる方、明らかに飼い犬であると思われる犬猫が徘徊する姿に同情する方、避難所にいながら自宅に犬だけ置いて、世話をしに通っている方がたくさんおられます。 しかし問題があることを認識をしてもらうことすら、常総では難しく、動物たちの被災状況すらつかめていません。
13日の朝9時に、同じ内容の要望書を常総市の高杉市長に、提出いたしました。
市議の先生方も同席下さりお力添えを頂きました。
避難所の被災者の方も駆けつけ、飼い犬を連れ出席されました。
午後1時に関東財務局つくば出張所にも提出して参りました。 今回の交渉により、動物同伴被災者の公務員住宅入居に道が開けることになりそうです。
■もう1つは、常総市にある悪徳ブリーダーに関する要望書です。遺体の放置される劣悪な環境におかれた繁殖犬について、当会は他県の災害ボランティアから相談を受け、現場を確認し、警察に通報しました。このブリーダーの所有する犬のうち半数が水害で亡くなりましたが、生き残った犬たちの状況も悲惨です。再発防止に向けて対処がなされるべきです。ところが警察は立件になるかどうかはわからない、と話され、ブログ記事の削除を求めてきました。私どもは、この事件があいまいなまま放置されることなく、ブリーダーがきちんと法律に基づいて告発されることを願い、茨城県に要望をいたしました。適正に飼養できない繁殖業者を茨城県がきちんと指導し、改善が見られなければ繁殖業の資格を与えないこと、虐待にはしかるべき対応すなわち告発をすることが、動物取扱業全体の質の向上、虐待の再発防止につながると思います。私たちは、12度も指導をされながら改善をしなかったこのブリーダーを、茨城県動物指導センターが、告発することを要望しております。阿見町のブリーダー事件では、茨城県は告発をしませんでした。だから民間のボランティアたちが告発をするしかありませんでした。
あれから法律も改正され、22年には環境省により中核市等に通達も出され、虐待の定義も明らかにされています。行政の指導がありながら、光のあたらぬ場所で、繁殖犬猫たちが、虐待のなかに亡くなっていく、これを放置してはなりません。
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