4.28(木)夜 到着
4.29(金)山都町、西原村へ。
⬛山都町
全壊2
半壊39
避難所5
避難者数134
災害ボランティアセンター
27日の時点では避難所は8ヵ所あり、29日には5ヶ所に減っていました。夜間には130名の宿泊者が千寿苑におり、本庁には数名しかいない、おもに食事の提供。
発災直後には、最多で30ヵ所の避難所があり、2000人の避難者がいた。
最初の一週間は断水しており、町は計画断水をスタート、今では濁り水も解消し、多くの方が自宅に戻られている。
避難所の千寿苑、
町で一番大きな避難所。
炊き出しや、自衛隊による風呂の提供がある。
山都町社会福祉協議会ボランティアセンター
支所。避難者は夜間に数名のみ。
役場本庁の正面玄関の自動ドアに貼り出された掲示には、
ペットの連れ込みはご遠慮ください、外につなぐこともできません、とある。同様の掲示は庁舎正面にもう一枚掲示されてあった。
本庁に避難した方も、人はほとんど帰宅された。
総務の方に伺った話
↓
人が優先。
当初からペットは禁止していた。
餌の問題もある。衛生面を考えた。
外につないでも駄目だと判断した。
地震直後は動物を連れて避難してきた人も数名いたが、断った。
対策本部のなかで最初からそう決めた。
二階の対策本部に向かう。
住民の被害状況等を把握するための調査票が置いてあり、そこには人的被害、建物被害、道路、河川の被害を記入する欄があるが、飼育動物の被害について書ける欄がない。
対策本部に手書きで追加し、提案してみた。
対策本部の話
↓
動物はいません。
犬猫の相談はありません。
自主避難所では受け入れ可能かもしれないが、
町の施設の指示避難所ではペットはすべて禁止、
物資も受付していません。
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この町で、ペット同行避難は実現しなかった、ということになります。
通潤橋のある町、山都。
まだ余震が続いています。
遅くはない、ペット同伴者専用の避難所をいまからでも用意されたいと、対策本部の職員さんに、要望書を手渡しました。
再び避難者を受け入れねばならないときに、犬猫を連れて避難してきた住民にも、安全を守る避難場所の提供がなされるべきです。
空き施設の活用により、建物を分けるなど、いくらでも工夫ができます。
ただでさえ、飼い主さんは遠慮され、自主的に避難所を去り、車上生活をされています。が、自由な暮らしも長期化すれば、疲労と、エコノミークラス症候群と熱中症の危険が背中合わせです。
たとえ犬猫とともに避難所にいても、肩身の狭い思いがあり、精神的な負担は少なくありません。
熊本市内の小学校の避難所には、ダックス2匹と避難されたとはいえ、鳴き声が迷惑だから、いよいよ捨てるしかないかと嘆くおばあさんがおられます。
鳴き声ばかりでなく、臭いの問題、毛の問題があり、特にこれからの季節にはウイルスや細菌など感染症や衛生面の管理が最重要課題となります。
アレルギー等の問題もあり、好き嫌いではなく、動物と一緒にはいられない方もおられます。
ペット同伴避難所と、
ペット禁の避難所、
この棲み分けが実現すれば、皆さんが助かるのです。
南阿蘇村の廃校では、体育館への同伴避難、ノロウイルス等のトラブル発生を経て、犬猫を連れた方が移動して、ペット同伴避難所が実現しました。
小さな二つの教室ですが、自然豊かな環境のなか、避難所には思われないようなこじんまりした場所に、飼い主さんものんびりとにこやかです。
物資の置き場もあり、地元獣医師と地元動物ボランティアさんの支援もあります。
この日は小さな命展のうささんが頼まれた、飼い主不明の被災犬を、動物病院に交渉して3週間お預けすることができました。
この村の被災ペットとその飼い主さんは、恵まれています。
被災動物の受け入れ。
町により、村により、さまざまな考え方があります。
情報や住民のニーズにより、変化を受け入れようとする町、柔軟性を備えた町では、人も動物もきっと幸せです。