http://takagi-namako.blogspot.jp/
3度目の今回、茨城県のNPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワークCAPIN」の鶴田さんとご一緒させていただき、お手伝いをしてきました。
常に素晴らしく行動力ある鶴田さんの計画は、熊本県の『動物管理センター』から被災猫をひきだして、預かりをしてくださる宮崎県のボランティアさんの方へ届けること。そして、比較的元気な猫は、翌朝、宮崎空港から飛行機で東京のボランティアさんへ送るというものでした。
ミルクを飲む仔猫たちのケアが不十分なセンターの環境に、これ以上おいて置くことは死につながると判断された鶴田さん、なんと仔猫24匹・成猫5匹の合計29匹を一度に引き出したのでした!大胆かつ迅速な決断力に、感動しました…。
熊本・益城から高速に乗り、宮崎へ。途中、かつて観光と登山で訪れたことのある、球磨川沿いの美しい山間地や、霧島連山に続く大好きなえびの高原のふもとを通りました。
私の運転する車の前を行く、鶴田さん・宮崎の野中さんの車には、出発前から弱っている仔猫がいました。鶴田さんが座席を乗り越え、仔猫がいる荷台でお世話をされているのが見えました。
けれど、宮崎市内の動物病院駐車場で、ゲージを開いた野中さんの悲痛な声でその命が終わっていたのを知りました。手足を伸ばした仔猫の身体は、冷たく硬くなっていました。
2時間前には生きていたのに。高速道路沿いに見える山並みの美しさを眺めていたあの時が、仔猫の命の灯が消える瞬間だったのかもしれません。
仔猫の命が消えた理由はたくさんあります。管理センターでの過ごし方、その前の保健所へ回収された経緯、大地震。何よりも野中さんがその仔にミルクをあげながら言った言葉を後から聞き、心に突き刺さりました。
―育たん猫は、こういう顔をしちょるわ…。
わずか72時間ほどの熊本滞在中、たくさんの被災猫たちの命をつなぐ手伝いが出来たこと、本当に良かったです。でも、そのうちの2時間、命を消しつつあった仔猫と宮崎まで同行したこと、忘れられないと思います。
たかぎなまこさん。
被災した益城の猫マイマイちゃんを水俣の預かりボランティア様宅にお届けしたときのシーンです。
先住犬のいっちゃんとともに。
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以上、文筆家で絵本作家のたかぎなまこさんのブログから転載させて頂きました。
たかぎさんは、神奈川県のご出身で、現在は千葉で小学校の先生をしながら、文章や布貼り絵の作品をうみだされています。
たかぎさんが文章、うささんがイラストを描いた絵本は海外に飜訳され、たくさんのお子さんに読まれています。
熊本での活動でごいっしょさせて頂き、いっしょに車中泊もさせて頂きました。
たかぎさんは、命展のうささんと、動物たちの同伴避難を訴えておられます。
旅、山登りがお好きだそうで、特に、静かな山奥で、動物たちをただ眺めているのが何よりの喜びだそうです。
たかぎさんのお好きな山も私の愛する山と重なっていて、東北の吾妻連邦や、飯豊連峰の縦走、秋田駒ヶ岳、鳥海山、星降る夜のことなど、胸躍るように山の話ばかりしていました。
たかぎさんとうささんの合作で、野生のクマを主人公にした絵本があります(FMあいち、エコメンド2015.2)。
「秋の日のおくりもの」、
小さな小さな物語ですが、深く胸を打つものがあります。
クマが里におりずに山で生きていけますように、とのたかぎさん、うささんの祈りが伝わります。
改めてご紹介させて頂きます。