立て続けに、お名前もわからない方から、ショートメールが入っていたのに気づきました。
「突然の連絡を失礼します。子猫を保護した後に常陽リビング社に里親募集も出しましたが応募者が現れずアパートなので長期保護困難なのでご相談しました」
「キャピンの会員に入ればシェルターに保護して頂く事は可能でしょうか?お手数ですが御回答を宜しくお願いいたしますm(__)m」
「緊急な為、ショートメールしましたが御回答が無いのは一つの小さな命など眼中にないとの判断をさせて頂きますが宜しいですね?」
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保護した犬猫を引き取ってほしいと、毎日、私の電話が鳴ります。
動物を助けたい、でもご自身で引き取らず、ただ「可哀想だから」と動物を連れて来られます。
ご自身のお話しを並べられます。育児があるから、介護があるから、旅行があるから、仕事があるから、もう2匹飼っているから、アパートだから、と。
しまいには、引き取らなければ捨てます、と、脅迫のように、ただ連れてこられると、こちらも引き取らざるをえなくなります。
そうすると、本来、目指している私たちの活動も進まないのです。
CAPINでは、皆さんが、何とか誰かを頼らず誰かをつぶさずに継続する道を探っています。まわりをみても、赤ちゃんを抱えながら子猫のミルクやりをしているボラさんや、動物を保護するためにローンを組んで家を買ったボラさんもいらっしゃいます。ぎりぎりで頑張っているからこそお互いに苦労がわかるので、カンパをし合います。
というのは、動物は助けたい、でも責任はとらないでほかのボランティアさんに引き取らせたい、という、自称「動物ボランティア」さんに、現場でほんとうに苦労をしてきているからです。
つかまえるのは簡単です。
でも、保護をしたあとが、長くて大変なのです。
「あの犬たちを助けてほしい、ボランティアに通うから。」
そう言われていざ助けても、数か月したらその犬の存在すら、依頼者の方はすっかり忘れられてしまっています。
犬猫だけがここに残ります。
そんな思いを繰り返してきたので、私たちは、丸投げのつらさが身に滲みてわかりるのです。
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最近、ある他県のセンターから虐待された咬傷犬を引き出された方がおられました。犬を飼ったこともなく、いきなり咬傷犬は無理であり、やめるようにアドバイスしました。
しかし、強い意思をお持ちでした。気付いたらもう引き出されていました。しかし、引き出したその日にご夫妻ともが噛まれ、その翌日にはセンターに戻すことを決意されていました。
よい勉強をさせてもらった、との言葉を聞きました。
・・・涙が出ました。
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動物保護活動に関わった期間が長い方ほど、接する犬猫の数も多くなりますので、保護活動が甘くないこと、きれいごとでは済まされないことはよくご存じです。
なかには虐待を受けたり、人間に心を開かない犬猫もいます。
外見のかわいらしさとは違います。
CAPIシェルターにも、特定のボラさんしか扱わないことになっている咬傷犬がいます。過度な接触をしないほうがよい子もいるのです。愛情だけで解決するわけではありません。
知っている方ほど、慎重です。
簡単には手を出しません。
そのかわり、いったん助けることを決意したら、覚悟をもって、やり通すべきです。
犬猫のためにも、半端にしたら、さらに傷がつきます。
さらに人を噛む体験をさせてしまわないように。
さらに見放され体験を重ねさせてしまわないように。
人との距離がこれ以上離れないように。
人間の経験のため、勉強のために、動物を利用するのでなく、
その犬猫にとって、その経験は、未来につながるものなのか?を考えていきたいです。
ほんとうに難しいことですけれど。