集められて殺されていく、飼い主のいない、あるいは飼い主不明な、迷い犬、捨て犬たち。
センターや保健所では、殺すことを、なぜ、止められないのか、とただ、素朴に、疑問に思うのです。
何匹も引き出し、保護し、譲渡してきましたが、慣れていかない犬はいないし、
だいたいは首輪つけて尻尾を振って、人に飼われていた犬。
無慈悲にも、この子たちを行政が殺してしまう根拠になる法律は、狂犬病予防法ですが、この法律の正体は何なのか、これを検証している方がおられます。みやざき市民オンブズマンの野中龍彦、公彦さんです。
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https://jinseimen.wordpress.com/2014/10/09/何故、日本の「動物保護施設」の実態は犬猫の殺害施設なのか/
野中龍彦著
⬛犬猫の「やむを得ない殺処分」の嘘⬛
自治体は引取った犬猫について、その虐待防止に努める義務があるが、日本の動物保護施設自体が引取り=殺害という違法な動物虐待施設となっている。その背後には「動物管理事業者」らの利権がある。
なぜ日本の「動物保護施設」の実態は違法な犬猫の殺害施設なのか(1)
犬猫 3950万頭「殺処分」
これは狂犬病予防法及び動物愛護管理法施行後の過去62年間 (昭和27年から平成25年度)で日本で「殺処分」されたと報告されている犬猫の頭数である。
注):猫の収容は昭和49年から開始。
生還したのは収容頭数4351万頭の内、僅か401万頭で全体の1割に満たない。
犬の「殺処分」報告頭数は過去61年間で3038万頭。この数字は平成24年度における全国の犬の新規登録報告数47万頭の65年分、総登録報告数679万頭の4年半分だが、これだけの犬が「殺処分された」とは不自然に多い数字ではないだろうか?(「殺処分場所」は平成元年時で全国192カ所)猫の「殺処分」頭数についても過去40年で900万頭を超えている。
筆者はこれらの「殺処分」頭数について、相当数が水増し、架空計上されたものと推測している。また、1割に満たない生還率について、法令を無視した「動物管理業務」の業務量維持動機、利権目的の犬猫の殺害が横行してきた結果とみている。具体的な事例については後述する。
自治体は引取った犬猫について、その虐待防止に努める義務があるが、日本の動物保護施設自体が引取り=殺害という違法な動物虐待施設となっている。一般市民や動物保護団体による動物保護活動の実態は「殺処分」される犬猫を救出する、虐待を防ぐ、という本末転倒、異常な状況が常態化している。その背後には「動物管理事業者」らの利権がある。
衆議院議員 環境委員会において 平成20年4月11日、松野頼久議員が以下の発言をしており、典型的な犬管理所における動物虐待の事例を報告している。
「今年の一月にもですね、実は大阪の犬管理事務所に私も行ってまいりましたけれども、それはあとでまたお話しをいたしますが、やはりその、そういう動物愛護の意識というものがないんですね。これ、写真を付けてありますけれども、15ページ、資料の15ページの写真です。これは今年1月に大阪に行ったときの私が撮った写真ですけれども、真冬で物凄い凍りつくような日にですね、ずーっと水が流れている、で、こういう状態で濡れているんです。で、ここは、すべて殺す施設です、と言い切るわけですね。譲渡はしておりませんと。」「例えば大阪も私そうだったんですけども、対応して、一緒に行った愛護団体はですね、「あ、この犬とこの犬とこの犬を引き取りたい」と「飼い主は絶対見つかるはずだ」と言って直に交渉すると「うちでは一切譲渡はしていません」と断ってしまいます。」
第169回国会 環境委員会 第4号(平成20年4月11日(金曜日))
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001716920080411004.htm
平成18年1月31日 仙台市長の記者会見では以下の質問がなされている。
「動物管理センター職員が動物を保護しようとした市民に暴言を吐いたり、市民が動物管理センターに動物を引き取りに行くと連絡していたのにも関わらず処分してしまったなど不適切な対応についてどう思うか」
仙台市動物管理センターに係る新聞記事 動物管理センターが動物の処分(殺害)施設である事が分かる。
表1:全国の犬猫の収容及び処分状況(昭和27年から平成25年度)
*狂犬病予防法に基づく犬の抑留と動物愛護管理法に基づく犬猫及び負傷動物の収容及び処分頭数の合計値
グラフ1:犬猫の返還譲渡率の推移(全国) 昭和27年と平成25年を比較すると収容頭数自体は減っているにも係らず返還譲渡率が僅か6%しか増えていない事が分かる。
グラフ3:狂犬病予防法に基づく捕獲犬の返還率の推移(全国) 昭和27年と平成25年を比較すると捕獲頭数自体は大幅に減っているにも係らず61年間で返還率は僅か15%しか増えていない。
平成20年以降の返還率の上昇は平成19年の遺失物法改正の影響と思われる
尚、秋田県においては昭和27年、犬の返還率94%が記録されているにも係らず、平成5年には4.5%まで減少している(グラフ4)。
グラフ4:狂犬病予防法に基づく捕獲犬の返還率の推移(秋田県)
根拠資料:狂犬病予防法(昭和25・8・26・法律247号)及び動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48・10・1・法律105号)が公布されてから記録が残っている衛生年報、衛生行政業務報告及、衛生行政報告例、動物保護管理行政事務提要及び動物保護管理行政事務提要から集計
昭和27年から平成24年度までの都道府県別等データについては以下データを参照して下さい。
(昭和27年から平成24年度)
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(平成25年度)
犬・猫の引取り状況(都道府県・指定都市・中核市別) http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h25_dog-cat2.pdf
犬・猫の負傷動物の収容状況(都道府県・指定都市・中核市別)
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h25_dog-cat.pdf
犬の登録申請数・登録頭数・予防注射済票交付数・徘徊犬の抑留及び返還頭数・犬の死亡届出件数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別
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また、野中氏は、狂犬病予防法の前身である畜犬規則、畜犬取締規則についても、現代語訳をして
市民に分かりやすく解説されています。
やはり、かつては撲殺でした。
http://www.miyazaki-ombuds2.org/
作画:野中龍彦氏(ページ最下部)
野中公彦らは2008年8月、財団法人宮崎県公衆衛生センター職員らの動物虐殺行為を宮崎北警察署に刑事告発し、受理された。
本件告発事件の本質は、適法な動物の殺処分を偽装した動物虐殺事件である。 本件告発事件は、昨2007年、宮崎市保健所衛生環境課長(宮崎県中央保健所からの出向者で獣医師)ら4名が子猫4匹を大瀬町(管理所から100m南の場所)に遺棄した事実に基づいて、同年9月26日に動物愛護管理法違反の罪名で書類送検され、つい先日起訴猶予となった事案と、その本質において全く同一である。その際、遺棄を指示した同課長が「愛護団体(「守る会」を指示する)に殺処分を目的とした引き取りはしないと約束したため、殺処分できないから放した」と発言していると聞く。このように、管理所職員及び県衛生管理課は本件告発事件以前から「守る会」の連絡先を知っており、「守る会」に電話連絡するだけで容易に本件殺処分を回避できることを十二分に知っていたのである。 このように、容易に殺処分を回避できる状況が客観的に存在したにもかかわらず、かつ、上記の子猫4匹の遺棄事件が社会的な大問題となっていたにもかかわらず、関係法令を無視してまで本件殺処分に拘った本件被告発人たる管理所職員の意図は、殺処分の“実績”数を稼ぐことで、これをセンターの存在価値を根拠付ける“実績”とし、爾後の県からの事務委託を確保しようと企んだ、不当な経済利益を追求する動機・目的に基づくものとしか解されない。
メルマガ「動物爆好き!日記」第51号・第52号より - 著者:広川夏樹
僕はこれまで何度も京都府庁を訪れ、「保健所が収容した動物の処分とは殺処分ではないこと」「保健所が収容した動物を里親に譲渡すべきであること」をわからせようと、担当者と話し合いを続けてきました。 しかしあくまでも救おうとする僕とあくまでも殺そうとする役人はいつまでたってもまともな対話が成立しません...
(日付: Nov.11 2000)
Several years ago there was an incident in which the Kyoto Prefectural government tried to kill the stray dog of its owner. The details of the incident are described below. (Nov.11 2000)
2011年12月、宮崎県高鍋保健所が、行方不明として届け出のあった犬を捕獲したが、飼い主に連絡せず「譲渡不適格」として殺処分しようとした件に関する調査。当該犬は、殺処分の前に宮崎の動物保護を行っているグループにより救出され、第三者に無事譲渡された。その後、実はこの犬の行方不明の届けが、高鍋保健所に出されていた事が発覚した。
公衆衛生センターと宮崎県との業務委託契約は違法無効であり、 県に対して返還などの必要な措置を講ずるよう勧告する事を求める。
みだりに殺す、とは何だろう。
みだりでない殺処分とは、何だろう。
この国に生まれた、飼い主不明犬たちの運命を思います。そして、これを変えられるのは、人間しかいない、とも。