約30万頭の牛、豚、水牛が殺処分された2010年の宮崎での口蹄疫。
むごい処分の風景はメディアでも報道され、あれは初期段階に何とかならなかったのか、と胸を痛めた方も多かったと思います。
まだ記憶に鮮やかな、口蹄疫の拡がり、そのときにとられた処置、対策についての検証は、市民により、あれからも粘り強く続けられてきました。
要点を簡単な言葉でまとめます。
①そもそも口蹄疫は、治る軽い病気である。
②口蹄疫を問題とするなら、完全に予防できるワクチンがある。
③しかし、国は、予防できないと嘘をついた。
④そもそも、日本では、口蹄疫が発生した場合に、感染した動物の殺害と埋立で、対応できないときは、緊急ワクチンを打つことになっていた。
⑤ところが、感染拡大しても、ワクチンが使われなかった。ワクチンをしたのは、感染拡大した後だった。
⑥しかも、ワクチンを打った動物は、抗体検査して陰性だったら殺す必要がないのに、
農水技官は、ワクチンを打った動物は、抗体検査ができないと嘘をついた。
そして、ワクチンを打った動物を皆殺しにした。
(口蹄疫については、農水も宮崎県畜産家も、様々な犯罪を犯しており、どれも醜いものだ。)
ワクチンを打っていない、最後まで感染しなかった動物も、殺した。
⑦上記のワクチン接種回避の談合をしていたのが小委員会。
⑧あとは、口蹄疫発生初期の、感染隠蔽、行政によるあぐら牧場の感染隠蔽、
あぐら牧場の感染拡大を隠蔽する疫学調査チームの捏造文書の問題がある。
民間種牛を、感染しなかったのに、無理やり殺したのだ。
天下り先の家畜改良事業団は、感染していたのに、移動制限区域から、自分たちのだけ逃した。
⑨もともと、児湯郡は、地下水豊富だから、そこに、かたっぱしから埋めた。
⑩ペットの山羊も感染していないのに皆殺しにされた。
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2010年に流行した口蹄疫に関する資料を一部まとめたサイトがあります。
http://www.miyazaki-ombuds2.org/kouteieki.php
宮崎市民オンブズマンによる口蹄疫情報公開裁判の、代理人梶山弁護士の言葉より:
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審議会の内規で、法令には存在しない権限を審議会の下部機関に与えるなどということは、法秩序に真っ向から反する重大な問題と思いますが、最高裁は、「憲法違反」じゃなくて、法令の解釈問題だという理由で、例によって三行半ですね。
改めて日本の司法に絶望を感じる決定ですが、記者会見をしても、記者がどこまで、問題の重要性を理解できるか疑問です。
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宮崎市民オンブズマンの野中公彦氏より、こうした情報が寄せられました。
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野中氏より:
農水の技官が、法律と科学事実を無視して、牛を皆殺しにする特措法を持ち出したが、それを審議したことにした小委員会が、実は、権限がなかった。
官僚がなぜそんなことをやったのかは単純で、責任のロンダリングであった。
審議会にはかってきめたから、民主的手続きを経たのだから、我々役人の意志ではない、という詐術。
最高裁が今回上告不受理にしたことについて、会見をきちんとしないといけないが、そもそも、審議会にNHK解説員がおり、マスコミが1番ひどい。
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再発防止のために、まず、客観的事実を私たち市民に知らせてほしい、
情報を広く納税者に公開するのは、大前提です。
利害関係のない専門家が、科学的に、それを検証していくことから、すべてが始まるのです。
まずは、情報開示から。