実験動物の鳴き声や焼却煙のにおいに精神的なストレスを感じている、と電話相談がありました。
製薬会社の近隣にお住まいの方からです。
つくば市には動物を使った先端医療の研究所や、製薬会社の実験施設が多数あります。
相談者の方によりますと、近くにある製薬会社の研究所ではたくさんのビーグル犬やブタが飼育されており、四六時中、鳴き声がするそうです。
特に午後2時半には実験を受ける動物たちの鳴き声が強くなると言います。
犬はキャンキャン、ブタはブヒーと言うが、ブヒーが延びるとキーに聞こえる。
聞いていてつらい。
毎日、これを聞く。
何もできなくてごめんなさい、といつも
手を合わせる。
そのうち煙が立ち上ぼる。
最初は白い煙がやがて黒に変わる。
それを見てまた、手を合わせる。
両親を看取ったあとにそのまま
越してきてずっと、合掌が日課になり、
こうして謝りながら暮らしている。
つらいんです。
精神的な苦痛、これは仕方ないものなのでしょうか。
というものでした。
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防音壁を使うなどの対応はされているとしても、
音がしなくなればよいというわけでもありません。
日本では、先進国で唯一、動物実験に法規制がほとんどありません。どこで誰がどの動物を何匹使って何の目的で実験をするのか、行政もわからないのです。
密室で何が行われているか、痛みどめや鎮痛剤が使われているか、安楽死させるときの薬が本当に痛みを抑えペントバルビタール系なのか、あるいは苦しませる筋弛緩剤やストリキニーネなのかさえ実験室の外からは、何もわからないのです。
地震や原発事故により、実験施設が崩壊し、そこからウイルスや細菌を植え付けられたサルやビーグル犬、遺伝子組み換えマウスが逃げ出すかもしれないのに、行政はどこに施設があるかも知らず、近隣住民にも、把握はできないのです。
第一種動物取扱業に犬や猫のブリーダーや展示販売業者は含まれますが、実験動物の飼育者はブリーダーに変わりはないのに、取扱業に含まれず、規制や監視がありません。
また、動物の福祉を守る動物愛護法の愛護動物からも、実験動物と産業動物だけは除外されています。
前回の法改正でも、叶わなかった動物実験規制。
ごめんね、助けてあげられなくて。
窓のない、壁のなかに手を合わせるのは、少数ではないはずです。
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動物実験施設の存在は、市民にとって、環境権の侵害ではないのか。
道路工事の騒音被害と同じように、住民にとっての苦痛ではないのか。
鳴き声やにおいや、遺体を燃やすときの煙の立ち上ぼりによる精神的な被害にたいして、賠償責任は問えるものなのか。
悲しいと思わせるような施設を企業が運営し、近隣住民に精神被害を与えていたら。
録音機を持ち、実験施設を調査中です。