21日(火)14時過ぎに、成田国際空港第3ターミナルの建物の中、ゲート161~175に、野鳥のハクセキレイが迷い込んで飛び回っている、と相談を受けました。そこはチェックインをした人しか入れないエリアです。外国人乗客も皆心配して野鳥を見上げていたそうです。相談者は付近の空港職員に保護を訴え、代表番号に何度か電話をかけても、なかなかレスキューに動いてもらえないまま、搭乗時間がきて機上の人となったのでした。
「このままでは衰弱してしまう、餌を求めて下りてきていた、さほど警戒していないから簡単につかまるはず、上着でつかまえようとしたが失敗した」と。
成田空港の代表番号(インフォメーションセンター)に改めて場所と状況をご連絡し、餌と水の準備をお願いし、保護または放鳥を依頼しました。また、行政の野生鳥獣保護の窓口に相談なさってくださいともお伝えしました。
<公的窓口>
翌日、東京都環境局と千葉県の環境生活部自然保護課に相談しました。が、どちらからも、保護や引取は一切していません、現場にかけつけることもしていません、と言われました。
(犬猫の引取はしない動物指導センターと同じです。)保護のためのアドバイスも求めたのですが、網でつかまえるということのほかはありませんでした。動物保護のために、消防や警察と連携してレスキューに動く国もあるなかで、日本にそれを求めるのはやはり難しいようでした。今回は場所が場所である、というのもありますが、たとえ成田空港でなく民間のビルであっても、現場で保護に動くことを求めてはいけないのだと理解しました。
野鳥の生態に詳しい専門家や専門機関をご紹介くださるよう求めても、これも叶いませんでした。調査していないからわからないそうで、こうした保護依頼の電話は初めてだそうです。ここは、すでに保護してしまった方が、引取を依頼する窓口であり、それに対してお断りをするだけの窓口だそうです。(!)
何人かに電話が回され、最後にもらったアドバイスは、動物園に電話をするとよい、ということでした。が、その前に、いくつかの野鳥の関連団体に聞いてみました。
<日本野鳥の会>
空港なので施設管理者がやるしかない。
窓から出てもらうか、虫取り網を使うしかない。
ふだん高いところにいても、鳥は暗くなると下りてくる。
(しかし空港は開放されていない構造であり、出入口は自動扉くらいしかない。夜間も常に明るい!)
行政機関は希少種が保護されたら動物園と連携して出向くこともあるが、希少種でなければ
保護に動かない。
水と餌を置いても鳥はパニック状態なので無意味。
1週間は飲まず食わずでも鳥は生きていられる。
体力が弱ると落ちてくるので保護できる。
<公益財団法人 山階鳥類研究所>
日本鳥類保護連盟を紹介くださいました。
<公益財団法人 日本鳥類保護連盟>
建物の高さや広さを考えれば、空港でのレスキューは不可能であろう。
空港が閉まるときにライトを消し、ドアや窓を開けて、あたりを光で照らす。
鳥は光をめざしていくので、自分から出るだろう。
鳥には餌より水が大事、水が必要。
餌でおびき寄せて網でとれるとよいのだが。
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成田空港の総務部に、こうした保護のためのアドバイスをお伝えしようとお電話をしたら、お見事!警備員さんたちが、いかなる手段をとられたのか、とにかく野鳥を捕獲され、屋外から放鳥されたそうです。
相談者さんとともに安堵いたしました。
成田空港への鳥の迷い込み防止策はきちんとなされているそうですが、数は少ないけれど、たまにハトなどが巣を作るようです。空港全館を暗くするのは難しいそうで、捕獲しか手がなかったかと思います。ほんとうにご苦労様でした。警備の皆様、ありがとうございます。
by おかめ