犬猫1匹を5万円かけて殺処分、その背景には。。。

日本で横行し続ける、適法性を偽装した犬猫の処分業者による犯罪(熊本県の事例)

平成27年度、熊本県の動物(犬猫)行政担当組織は「動物愛護管理事業」を無届けの動物取扱事業者である(株)熊本弘済会(こうさいかい)に委託し、犬猫合わせて2,011頭を「殺処分」と称して殺している。その「動物管理事業」の実態は犬猫の収集及び殺害事業であるが、その事業費、約1億円を頭数割にすると1頭当たりの殺害費用は5万円に上る。これは「狂犬病予防員」等、県庁職員の人件費を除いた数字である。

殺害頭数が半分になればコストは10万円となり、費用面からの正当性が保たれなくなる。これが、動物保護団体をボランティアの位置に停めて「譲渡実積」作りに利用しつつも、裏では卑劣な手段で排除し、殺害に拘泥する一つの理由であると筆者は考えている。

熊本県の「動物愛護管理事業」とは、長年に渡り、自ら法の基本原則を無視し続けている組織が、県民を欺き、違法、脱法な犬猫の収集処分(殺害)業務を維持する為の費用(無届けの動物取扱事業者、(株)弘済会への犬猫の処分業務発注)。違法に殺害した犬猫の数を根拠に「啓蒙啓発により「殺処分」を減らす」と嘯き、自らの犯罪行為の根本原因を「県民の意識の低さ」に摺り替え、被害者を装い、殺害事業を維持する為の費用である。このような県民の風上にも置けない動物虐待組織は警察の摘発が不可欠である。

昭和25年、「狂犬病の爆発的蔓延」を理由に熊本県選出の国会議員(事実上、国内において独占的に狂犬病ワクチンを販売する、熊本の化血研顧問)による議員立法により成立した「狂犬病予防法」であるが、同法の施行後、約63年間の累計で犬3、000万頭、猫1、000万頭という莫大な数の動物が「犬の抑留処分施設」で殺害された事になっている。

これは同法の抑留期間を口実に二日という短期間、「動物愛護管理法」での犬猫は「狂犬病予防法の抑留期間がない」「所有権が放棄されている」事を口実に、引取り後、即殺害という動物殺戮行為が行なわれてきた結果で、「引き取り手がない」等、完全なデマである。

これについては厚生労働省が各自治体に「抑留犬の処分の方法は殺処分に限るものではない」旨の通知を平成19年に出す事態に至っている事からも明白である。

明治14年に制度化された畜犬規則では「迷い犬は獣欄に入れ、一週間飼育すること」と規定されているが、「狂犬病予防法」では僅か2日で「処分できる」とし、それを根拠に殺戮が強行されてきている。

現在、「公示期間」の終了や「引き取り手がない」、「飼い主から処分を依頼された」等の口実に代わり、登場してきたのが「家庭動物の適正判断」である。収容動物に食物を与え、横から手を突っ込む等の手法で動物を怒らせた上、「攻撃性を示した」と殺害を推奨する「譲渡推進」と称したパンフレットが存在し、筆者が告発した、宮崎県衛生管理課らによる、引取り犬の即日殺害事件(「所有権の放棄」を口実に半ば公然と日常業務として行なっていた)においても、「離乳前の子犬は家庭動物としての適正がないから殺処分した」と理由を捏造し、起訴を免れている。

近年、日本全国の登録犬における死亡届け出頭数は年間約47万頭で推移しているが、単純に考えて、登録犬の約64年分の死亡届け出数と同じ数、3,000万頭が前出の処分施設で「処分」されたとは到底信用できない。

筆者は既に宮崎県において処分された事になっている、犬猫の架空計上やデータの操作等、数のデタラメについて証拠を掴んでいる。要は犬猫の「殺処分」は架空計上等の捏造行為における証拠隠滅の手段である。「殺処分」が摘発されないかぎり、証拠を残さず、犬猫の引取り数をいくらでも捏造できる。全国規模で同様の行為が行なわれている疑いがある。

 

 

図:宮崎県衛生管理課が作成した処分計画書、異常に低い返還数、譲渡数が設定されている。猫については返還、譲渡の項目すらない

平成27年度の全国の犬猫の「殺処分頭数」は約15万頭(収容数の6割)。明治14年から制度化された畜犬規則により全国的に犬の捕殺が始まり、135年経過した現在でも、未だに犬猫の「処分施設」が存在し殺害が続いている。「狂犬病予防法」によるワクチン接種の強制の根拠になっているのは「野良犬、徘徊犬」の存在であるが、飼い犬でも捕獲され、殺されれば飼い主のいない野良犬や徘徊犬として処理される事になる。膨大な遺失物を扱う警察が預かった犬猫の返還率より、犬猫を専門に扱い、予算もある保健所において、返還率が圧倒的に低いのも、こうした背景があるからであろう。要は「殺処分」を止めない方が利益になる者らがいるという事。そこに問題の本質がある。

最後に、筆者は不可避な場合における動物の致死処分について問題にしているのではない事をはっきりさせておく。「止む終えない殺処分」と称して横行している、適法性を偽装した犬猫の虐待、殺戮行為と、その裏の目的を指摘している。

注:化血研:長年に渡る薬品の不正製造が発覚し「常軌を逸した捏造体質」が指摘されている、熊本の製薬会社。狂犬病予防ワクチンにおいても不正製造が確認されている。昭和20年の創立直後から、GHQの医療福祉政策担当である、C.Fサムス准将より「公共の設備等を使い、自分の金を1円も使わず私腹を肥やした」と指摘され、閉所命令が出された後も復活し、薬害エイズ事件や不正製造等の違法行為を繰り返し、日本政府から事実上の解体命令が出ている製薬会社。日本製薬工業協会より除名処分。事実上、日本において狂犬病予防ワクチンを独占的に販売している。
 

 

野中龍彦 

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