1.告発、署名、公開質問状、院内集会開催などを展開してきた「全国動物ネットワーク」は現場で実働する動物保護団体のネットワークです。
私たちは全国で動物保護譲渡活動を展開する157の動物保護団体の全国組織です。東日本大震災のあと、福島第一原発事故により警戒区域に残された動物たちの救済に、団体を超えて協働し、それが元で結集しました。日頃から、私たちはそれぞれの地域で、犬猫の保護譲渡活動や地域猫TNRをしておりますが、ネットワークとしては、動物虐待の告発、署名活動、被災動物問題に関する政策提言、院内勉強会開催など、動物の命を守るための社会システムの構築に向けて活動しています。
2.すでに国民の「知る権利」は制限され、行政機関にとって不都合な文書は隠されているのに、さらに情報が得られなくなります。
私たちの活動の過程では、情報開示請求を行い、行政文書を添付資料や告発の証拠資料として使っております。しかし、明らかに存在するはずの「文書の不存在」等を理由にした不開示決定や、内容の捏造、文書黒塗りが多発しております。このように、すでに国民の知る権利は制限され、政府や行政機関にとって不都合な情報は隠蔽され、破棄されています。昨年、開示請求をしたら公務員から「ケンカ売ってるのか?」と恫喝されました。共謀罪が成立したら、国民が知る権利はますます阻害されるでしょう。
3.共謀罪により、「表現の自由」「思想・良心の自由」の制約・抑圧がますます公然と行われ、行政に批判をする者、市民団体は、監視下におかれるでしょう。
眼の前の動物を助けることは生半可ではありません。行政や警察に堂々と意見を言い、証拠を集め、闘わないと何も変えられません。しかし共謀罪が成立すれば、私たちは表現の自由を奪われることになります。行政の不正な公金支出、不正な動物虐待に対抗し、抗議や告発を行う私たち市民団体は、監視と盗聴の対象にされるでしょう。そして本来のあるべき適正な活動ができなくなってしまうでしょう。具体的な行為をする前に、2人以上が集まって協議をするだけで、国に対してよからぬことを企んでいるとでっち上げられ、摘発されることもありえるのです。共謀罪は、実行行為をするはるか前の段階で、処罰の対象にされるからです。私たちは手も足も出ない状況に置かれます。それは戦時中と同じ、監視と密告の、暗黒の世界です。
全国動物ネットワークは、憲法を蹂躙し、適正な活動をする民間団体やそこに参加する人たちの人権を踏みにじり、それによって弱い小さな動物たちのいのちを見殺しにすることに繋がる「共謀罪」に反対します。
全国動物ネットワーク
賛同団体有志一同