先日アップした松野頼久衆議院議員が熊本動物管理センターを「訴えないで頂きたい」と発言したYoutube動画の全文書き起こしです。
どうも皆さん、こんにちは。ご紹介いただきました松野頼久でございます。きょうは10分ぐらいというお話だったんですけれども、4時半だということでちょっと日程が詰まっていますので、冒頭にそれをずらさせていただいてお話をさせていただければというふうに思っています。きょうはTHEペット法塾の植田先生、実は付き合い長くて、僕は最初にこの動物愛護に取り組んだのがもう十何年前ですかね。朝日新聞の1面トップに犬猫38万頭を殺処分という、非常に衝撃的な記事が、それも1面トップに出ていました。それをたまたま読んで、国会で何かできることはあるのかなということで調べ始めてスタートしたんです。
その頃から実は大阪の植田先生たちともお話をさせていただいて。多分当時は弁護士さんで、動物愛護法なりペット関連の法律を研究されている専門家の法律家の先生っていらっしゃらなかったんです、日本で。植田先生たちにもいろんなご意見を頂きながら取り組んでいったのが最初であります。
ちょっとお話をさせていただくと、当時野党でしたから、国会に質問を通じて、今まで行政の中でおかしいなと思うところを1つずつ追求をさせていただきました。特に一番疑問点を抱いたのは、1匹の犬が表をうろうろ歩いていると、その犬に対して動物愛護法という法律と狂犬病予防法という法律が、全く逆の意味の法律が1匹の犬に掛かっていることに気付いたんです。というのは、要は狂犬病予防法では、犬がうろうろしていたらば狂犬病の可能性があるので、捕獲をして3日間拘留の後に、4日目に処分という文言なんです。動物愛護法は、飼養に耐え得る犬、飼うことができる犬はできるだけ生存の機会を与えるようにという、なるべく譲渡を含めて生かしてくださいよ、愛護の気持ちを持ってという法律の運用なんです。だから、1匹は捕まえてきて殺してしまえという法律の意味と、1匹は愛護の心を持ってなるべく生存の機会を与えなさいという。全く違うことが1つの犬に掛かっていることはおかしいじゃないかといって大臣に答弁を求めたら、大臣がやっぱり案の定答弁できないわけです。それで、環境省と厚生労働省で、狂犬病予防法という法律は厚生労働省が所管をしています。動物愛護法は環境省。その2つの省に整理をさせた結果が、外を歩いている犬がいたらば、まず狂犬病予防法に基づいて捕獲はする。3日間拘留をする。狂犬病か狂犬病じゃないかということをそこで判断する。そこで飼養に耐え得る犬、要は飼うことができると判断すれば、4日目からは動物愛護法の下に入れて、処分というのは譲渡も処分の1つですよというふうに実は整理をさせました。と同時に、生後90日以上の子犬に関しては、狂犬病予防法では予防注射を打たなければならないと書いてあるんです。ということは逆に解釈をすると、生後90日未満の子犬には狂犬病はいないということですねと。だったらば、生後90日未満の子犬は保健所に持ち込まれたとしても、捕獲をしたとしても、全て動物愛護法で運用して、直ちに譲渡、できるだけ生存の機会を与えるようにということですねということを確認をし、全国の保健所なり動物愛護センターに通知を送らせたというのがスタートでありました。
ただ、さまざまないろんな問題点があるんですけれども、本当に日々頑張っていただいているボランティアさんのおかげで、今、犬に関しては2万頭ぐらいの殺処分になりました。その後政権が変わって、僕が与党のときに今の現行の動物愛護法の改正というのが起こりました。これは法律に書いてあるんですけれども、5年に1度この動物愛護法というのは改正をしなければならないと書いてあります。ですから今の法律が改正されるのは多分来年の通常国会、1月だか6月の国会か、もしかしたら秋の臨時国会、来年ぐらいが動物愛護法の改正の期限を迎えるというふうに思っています。前回の法改正では、当時僕は民主党にいました。民主党では私と田島一誠君、自民党では松浪健太君。それは今維新の会にいます。それと公明党の高木美智代さん、この4名が各党から出てきた動物愛護法改正のワーキングチームの座長として、今回の法改正に携わったメンバーであります。
特にその中で私は個人的に一番こだわったのが、1つは保健所の引き取り拒否です。これは正直今、僕は自問自答をしているんですけれども、今まで動物愛護法において自治体は犬を引き取らねばならない。猫はないんです。犬を引き取らなければいけないという文言が法律の文章にありましたので、何度も保健所に引き取りに来るブリーダーとかそういうブリーダーと思われる人に対して、断ることができなかったんです。法律でそう書いてあるから。だけれども、その各保健所が判断をして、これはあまりにも、明らかに商売をやっているなとか、ブリーディングでやっているなとかいうものに対しては断ることができるというふうに、実は改正をしました。ずっと運用して今5年がたっているんですけれども、ただそこの改正、僕はあくまで性善説に立って改正をしたつもりなんですけれども、実際の運用を見ると引き取り屋が横行したり、地下に潜ってみたりとか、本当にあの改正は正しかったんだろうかな。でも改正しなければ自治体が引き取らなければならないし、やっぱりそこはどういう形でこれから運用の中でしていかなければいけないのかなということを、次の法改正では考えていかなければいけないと思っています。だから例えば引き取り屋に関しても、これ動物取扱業の申請をしているんです。ある意味栃木の引き取り屋さんは、この間NHKに出て問題になった栃木の引き取り屋さんは、また引き取り屋の動物取扱業の申請をして、また申請が受け付けられたという。だからやっぱり前回の法改正で僕は本当に強く主張して、結局は当時ねじれ国会だったんでできなかったんですけれども、やっぱり許認可制にしたかったです。生体を扱うペットショップ、ブリーダー、あとオークション等々は、やっぱり第一種動物取扱業として許認可制にしたい。その代わり許認可する代わりに、こういうことはちゃんと守ってくださいよということを明記できるようにしなければ、今の法律だとあの引き取り屋に対して本当に虐待だと認められない限り、また自治体の首長の判断で、その首長にもよるんですけれども、申請の拒否とか取り消しがなかなかできないんです。だからやっぱり第一種動物取扱業は細かくできれば分けて、販売店、オークション、ブリーダー。引き取り屋なんか本当は論外なんですけど、ブリーダーに関してはそれぞれ大体どれぐらいのスペースが必要で、どういう環境で飼育をする、ブリーディングに関してはブリーディングで、どういう環境で大体一生に何回ぐらいのブリーディングで健康が保てるか等々、そういうのを決めていく等々、やっぱりそれぞれの業の中でもそういうことをちゃんとしていかなければいけないんではないのかな。そこと初めて連動して、自治体の引き取り義務の改正というものがセットで改善できるんではないかなというふうに実は思っているところであります。
そしてもう一つ、特に私がこだわって、今骨抜きにされて委員会でも何回も怒っているのは、8週齢規制の問題です。やっぱり各ヨーロッパ等々見ても、それぞれ幼齢犬の販売というのは禁止している国がほとんどです。科学的知見、科学的知見とよく出てくるんですが、科学的知見なんて分かんないんです。犬がしゃべんないですから。大型犬、小型犬、中型犬によっても全然科学的知見は違ってくるのは当たり前の話ですし、科学的知見と言っている人はやらないと言っているのと同じ同義語なんです。要は国が決めればいいんです。決めれば。この道路は40キロ道路ですよ。道路交通法だってこの道路は40キロですよ、この道路は50キロですよ、この道路は60キロですよ。一本一本道路なんか科学的知見取ってないじゃないですか。国や行政がここはこうだと決めれば、ある程度決まる話なんですけれども、なかなか今の体制の中でその8週齢は付則を付けられて、骨抜きにされて怒っているというのが今の現実であります。等々、今いろんな論点があると思いますけれども、そろそろ時間だということでおやめくださいという話が出ました。
ただ、本当に皆さんのご努力で、随分私が取り組んだ十数年前と比べるとよくなってきたというふうに思います。ただ、まだ悪いところがあるんです、たくさん。例えば自治体にしても、この間も聞いた話ですけれども、あえて僕はこういうところで実名を挙げることにしているんですが、山口県の岩国市、保健所、そこで金曜日に十数頭の猫がいた。そこの自治体、そこの保健所に引き取りの許可をもらっているボランティアさんは引き取っていないと言っている。だけど、土日で餌も与えていない状況で、月曜日に十何頭の猫がいなくなった。明らかにどっか行っちゃっているに違いないというふうに皆さんが、疑問を持たれている人たちがたくさんいるんです。だけど、自治体は譲渡している。譲渡しました。金曜日の夕方にいて、土日餌も与えてもいないようなところが、月曜日の午前中にいきなり来て十何頭の猫がもらわれていったということは、今までの雰囲気では考えられない。だけれども、僕は環境省から譲渡をしたというならば、どこに譲渡したのか言え、出してくれ、聞いてくれと言ったらば、環境省も自治体の事務なんでそれ以上言えないって言うんです。個人情報に関わるからなんて言っているけれども、引き取りを認めている団体の名前を言うことは個人情報でも何でもないんです。個人が本当に十何人来てもらったならば、個人の住所、名前を言うことはできないかもしれないけれども、団体の名前を言うことは個人情報でも何でもないじゃないかと言って、今ちょうど先週からけんかをしているところなんですけれども、まだまだこんなところがたくさんあります。たくさん。本当にそこをきちっと情報公開も含めて、今後やっていかなければいけないなというふうに思っているところでありますし、次の法改正ではそういう現状の声を聞きながらやっていかなければいけないなと思っています。
あともう一個、こういう場なんでもしお願いができればと思います。熊本県の動物愛護センターという、実は話題になっていると思います。熊本県知事が前回の選挙の前に、多分どなたかがその現状というのを言ってくれたんでしょう。今までよくなかったんです。熊本県の動物愛護センター、殺処分数4,000頭ぐらいあって、あまりいい施設じゃなかったんですが、知事が多分そのことに気付かれて、いきなり方向転換をしまして殺処分ゼロを掲げて、今まで動物管理センターだったセンターの名前を、動物愛護センターに変えました。わざわざその場所に行って、知事も記者会見しているぐらい力が入っているんですけれども、正直言って、まだ現場の職員の数が3人だったのが、少し最近増えてきたんですけれども、まだ実際は知事の方向に振りきれないで、よちよち歩きで歩き始めて、あっちぶつかりこっちぶつかりで失敗もしています。その中で十何頭の猫が殺処分されちゃったという事件があって。ただ、どこかの団体の皆さんが、そこのせっかく今変わった保健所を、行政的な問題があるといって訴えられているということなんです。本当に後ろ向いててもうどうしようもないところではなくて、ようやくよちよち歩きで前を向いて歩き始めてきたところなんで、もしそういうお知り合いがいたら大目に見て、せっかく前を歩き始めたんで、訴えないでいただきたい。要は行政と僕はけんかばかりしても、決していい結果にはならないというのが持論であります。ただ、前を向いていない行政は僕もがんがんがんがん国会でもやるし、今みたいに実名も挙げて攻撃もするんですけれども。ただ、よちよち歩きでも前を向いた中での失敗は、どうか大目に見てあげてもらいたいなという思いがして、きょうこの場をお借りしてお願いをしている次第でございます。いずれにしても国会のほうではそういう活動をさせていただいております。日頃の譲渡に関わっている皆さんの力がなければ、殺処分ゼロというのは絶対に実現できないことは確かだし、ある意味行政が皆さんに甘えているというふうに思っていますけれども。ただ行政だけで、絶対にこれは成し遂げられないことですし、それにもし行政だけでやるなら莫大なお金がかかるんで、そういうところを本当に皆さんの力でやっていただいていることに心から感謝をして、随分時間取りましたけれども、私からのごあいさつとさせていただきます。きょうはありがとうございました。
コメントをお書きください
大橋 久美子 (日曜日, 30 9月 2018 04:08)
松野議員のご意見とても素晴らしいと感銘受けました。まさに、まさにその通りです。犬と人間の間には長い昔から人を助け、癒し、友として関わってきた深い歴史があります。なのにたった65年前に人間によって作られた狂犬病予防法の名のもとに何の罪もない犬や猫達だけが未だ毎週殺されている現実にいつも胸を締め付けられ、心臓をえぐり取られる思いです。
そんな社会をどうにかいい方法を見い出し、必ずや変えて行きたいと強く願う私にとって、松野議員のご意見は、本当に御幸の光に満ち溢れた前途明るい日差しが私の心に差し込んで来る思いです。どうか、どうか国を動かし、一匹たりとも殺処分させない日本にして下さい!
もちろん国民一人ひとりがその目標に意識を合わせて私たち一般市民も声を上げていこうと思います。どうぞどうぞよろしくお願い致します‼️
また、この場をお借りして一つお願いしたい事があります。犬を飼えなくなったからと簡単に飼育放棄する勝手な大人を作らないよう、義務教育課程でこの今の現実と、命の大切さ、命に責任を持つことが出来る人間に成長する様、未来輝く子供たちに必須科目として学校で、課外授業などで学びを受ける事ができる様にと願っています。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。