「野中龍彦の健忘録」より転載
法務省の日本法令外国語訳データベースシステムによる「動物の愛護及び管理に関する法律」の英訳(Act on Welfare and Management of Animals)において、「愛護」は「welfare」、即ち、福祉という単語で説明されている。英訳が示すように、法の趣旨、目的及び条文からすれば、「愛護」の意味は「福祉」以外の言葉では説明出来ないが、何故、日本語では意味が不明瞭な「愛護」が使われているのか?
日本では「動物愛護の啓発」の責任者である保健所が運営する、「動物愛護センター」の実態が、動物の「処分」を「殺処分」と短絡させた、法の原則そのものを否定する、動物の殺戮施設であり、一般市民やボランティアの動物保護グループが、その収容動物を救出するという詐欺的な状況がまかり通っている。利権構造そのものが「殺処分」を必要としているという事だ。
筆者らは宮崎県衛生管理課による常習的な動物殺戮行為に対し、告発を行なっている。その際、環境省の「動物愛護管理室」は「動物愛護の考え方は人それぞれなので違法ではない」とその摘発逃れに加担している。明らかな違法行為をイデオロギーの問題に摺り替えて逃げた訳だが(法は、人間の外面、行為を規律するものだが、それを内面的な「考え方」に摺り替えている。)、「動物愛護」という言葉自体が正に「色物」であり、国民を煙に巻くツールとなっている事を示す事件であった。治外法権状態の保健所にメスを入れ、法の名称自体も「動物の虐待防止及び管理に関する法律」にする必要がある。
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