ずっと雨続き、台風も近づいています。
相談に対応するため、県西に向かいました。
会への相談はこのようなものでした。
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たまたま見かけた家の外に、大型犬用のサークルで飼われた犬がいました。濡れた座布団の上に、冷たい風が身体に当てながら寒いのを耐えてじっとしています。
床は土で端っこはウンチが溜まっています。木のそばにあるので、日当たりが悪く、寒い所です。
柴犬は仔犬のようで、遊び盛りの子なのに散歩は全くしないようです。また少し痩せており、寒さも耐えているので体力を奪って衰弱してしまわないか心配で仕方ありません。どうしたらいいのか良きアドバイスはありませんか?ボランティアの方が訪問して会話することは可能でしょうか?
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という内容でした。
台風が近づいているため心配になりました。
迷いつつ辿り着くと立派なお宅でした。
水はほとんどなく青いコケがついた鍋がありました。
トタンを載せ石を重しにしたサークル、横から吹きこむ雨は遮れません。
犬小屋がありますが、なかは水たまり。
地面、小屋、すべてが濡れていました。
飼い主さんと思しき方と、穏やかにお話し、改善しましょうと知恵を出し合いました。
娘さんが飼い主とのこと。最初は、他人の犬へのおせっかいにはご立腹でした。
でも雨に濡れ、小屋のなかも水浸し、身をかくす場所もなく、周辺の方が心配するのは理由があるかもしれないですよね、と話しました。
このままではカビで皮膚病になりますと改善を求めたら、実はおばあさんも心配されていたのです。
台風のときだけでも玄関に入れて頂きたいと話しましたが、うちは屋内には入れない、厳しくしないと弱くなる、前の犬は15歳生きた、その前のポインターも丈夫で賢く、敷地から出なかった、と。
当初はお怒りでしたが愛犬家ではあり病院には行くことや、庭飼いが問題なのでなく、雨よけや風除け、台風対策がなされていないのが皆さんの心配であり今は法改正で虐待の定義も変わったし家族として大事にするのが当たり前の時代だから、虐待として通報されても仕方ないと伝えました。
そのうちおばあさんも、言葉を荒げたことを詫びながら、色々と工夫できることを考えて下さり、娘さんが帰宅したら環境を変えると約束されました。
とりあえず車に小屋を積んでいたので、犬のサークルの中に入れ、乾いた布をもらい、毛布に覆いました。
とにかく場所自体移すよう、車庫など二ヶ所ご提案しました。
相談をされてきた方には、次回行かれたら改善された写真を送ってくださいませ、と頼んでいます。
改善されなければまた伺い、センターにも相談します。
飼い方を知らない、昔ながらのやり方がベストと考えている、自分は犬はお好きだと思っている、犬の福祉について、5つの自由について、まったく考えたことがない、寒さや暑さ、喉の渇き、恐怖や痛みからの自由、といった動物福祉のグローバルスタンダードを知る機会のない、よくいる日本の方です。
これを、何とかしないと。
ひとつひとつ、解決していかないと。草の根の啓発。
人間のこともまだまだですが、動物には言葉が言えないから、私たちが見て代弁しないといけないわね。