入院はされず、ギリギリまで自宅にいながら犬と暮らしたいようです。
私たちは犬の世話に通うことになりました。市役所に、預かりさんを探してもらうようお願いしました。それが条件でした。その日からTVの音などに注意して、男性が孤独死にならないよう見守っていくことになりました。
切なさがこみ上げてきます。病と老いばかりはどうしようもなく。
犬たちは手を出して触ろうとすると、なぜか頭を低くして後ずさり、怯えます。特にオスの2匹は。
隣の住人によれば、お爺さんが毎朝犬を小屋から出して木につなぐとき、犬がじゃれて跳びかからないように、いつも棒で犬を叩くから、犬にそのようなへっぴり腰のクセがついている、とのこと。
どこにでも起きる問題。
高齢者の残していく犬や猫。
いかに解決していくか。
それぞれの町に、緊急保護の、小さな生かすスペースがあれば。
ボランティアや獣医さんがそこに通って、皆で生かす。
やがては、地元の方の、雇用も創出できるような仕組みができたら。
(1.16)
オス2匹はフィラリア陽性でした。同じ環境のお母さん犬ななちゃんは、フィラリア陰性。お爺さんは、メスにはフィラリア予防薬を与えていて、産まれてしまったオス2頭には予防薬をあげていなかったのかもしれません。ななちゃんは預かり様を見つけてもらい、そのまま譲渡に。皆さんのお力で、お爺さんの犬だけでなく、金魚とメジロも何とかお世話をしています。
金魚は八間堀さんが連れ帰られました。水槽の水ごけで魚が見えないので何匹いるのかお爺さんに聞いたら、左に4匹右側に2匹。ボランティアさんが春先まで預かることになり、 仲間に脚立を押さえてもらい風呂場の窓から水槽をすくつてみると全部で5匹いたそうです。
メジロですが、お爺さんは山に放してと言ったそうです。が、山に餌のない寒い時季に放すことについては野鳥Gメン平野とらまるさんに確認して、放鳥の時期を教わって、それから山に放す予定です。
市役所から相談を受けて、入院治療を受ける高齢者の飼育している犬3頭のお世話に入ることになって3か月。そこにいた金魚とメジロ。助けて、と押し寄せる命、命、命。
1月30日、お爺さんは入院先で亡くなりました。残された犬には去勢とワクチンをしました。さあ。里親探しをしなければ。
あちらもこちらも高齢者からのSOS、坂東市だけでない、つくば市、鹿嶋市、土浦市。
ボランティアなどが必死に動いても追いつかないのです。
少子高齢化が進み、単身世帯も増えています。これからこの手の相談がもっと増えます。
将来的には民間が委託という形で受けるべきと思います。国レベルでは、厚生労働省と環境省で話し合うべきですし、地元自治体レベルでは、経済的に豊かなところが、例えばつくばや神栖が、実践してみてよい前例を作ることが突破口になるかと思います。
常総の捕獲のあと、坂東の3頭のお散歩。
毎日が、ハード。
八間堀さんが、我が事のように、必死に動かれています。
八間堀さんは、常総の鬼怒川水害で被災され、ワンコちゃんの預かりやフード支援を私たちの会がさせていただきました。避難所に入れてもらえず自転車置き場で震えていた高齢シーズーを、当会で引き取り預かりました。その飼い犬ぺちゃくんも、先日、虹の橋を渡りました。
そして今、八間堀さんは、私たちの活動を、しっかりと支えてくださっています。
当会にとって、大きな岩のような、礎石となって。
オス犬2匹の里親様を募集しています。
ANJ事務局 NPO法人CAPINまで
info@capinew.jp