赤ちゃん猫を保護したが、まずどうしたら良いか分からない、
育てるのに不安だ、というご相談を頂くことがあります。
すぐ保温して一刻も早くミルクを与えて下さい。衰弱している場合、すぐ動物病院へ。
(※急激に高温で温めるのはNG:タオルに包んだカイロやお湯入りペットボトル、湯たんぽなどでじっくり温めます)
その後の育て方や必要な物、病院に行けず取り急ぎどうしたら良いか知りたい場合、
こちらの「子猫のへや」サイトに必要な情報が沢山載っておりますので、ご参照下さい。
■子猫の育て方・準備編~拾ったとき
■子猫の保育に必要なもの
■子猫の育て方・実践編(週齢ごとの育て方、子猫に多い病気など)
【緊急代用ミルク】※牛乳、人間の赤ちゃんの粉ミルクは避けて下さい
近くに子猫専用のミルクを売っている場所がないとか、夜中で動物病院が閉まっているような場合は、子猫の低血糖と脱水を防ぐため取り急ぎ代用ミルクを用います。
以下に述べる材料をよくかき混ぜて37~38℃に温めて下さい。哺乳瓶がない場合は細めのストローに口で吸い取り、指先で少しずつ吸わせるようにします。
あくまでも急場しのぎですので、すぐに子猫専用のミルクや哺乳瓶を購入してください。
(↑子猫のへや より引用)
※子猫用ミルク・哺乳器はペットショップ、店によりドラッグストア、アマゾン(翌日配送もあり)などネットでも購入可能。
シリンジは獣医さんでもらえると思いますが、入手できなければドラッグストアのスポイトで代用できます。
シリンジもアマゾンでも購入できます。
それも入手できなければ、緊急対応として綿棒にミルクをひたして吸わせます。
ミルクは、母親猫の初乳を飲めていたのか不明な場合、念のため最初は免疫力が強化される、初乳成分入りのミルクをお勧めします。
「森乳 ワンラック プレミアムキャットミルク」(アマゾンなど通販でも購入できます)
授乳の際は絶対にあおむけにしないこと!
子猫の首を後ろから軽くおさえて安定させ、ニップル(乳首)を口元に持っていきましょう。吸引反射によって子猫は自発的に飲み始めますので、無理にボトルを押す必要はありません。指先でのどを触り、しっかりゴクゴクと飲み込んでいることを確認します。子猫は前足でしきりと手にしがみついていきますが、これは「ミルクトレッド」という母猫のお乳をたくさん出そうとするときの本能的な動作です(子猫のへや より引用)。
飲んでいる最中にむせたりミルクが口や鼻からあふれたりしなくても、咳をしていなくても、誤嚥性肺炎の危険があります。
1度にあまりに多くのミルクを飲むと、飲んだ直後に体勢を変えたり動き回るなどした際に、ミルクが胃からあふれて気管に入り、誤嚥性肺炎になる危険があります。たくさん一気飲みしてゲップやシャックリをしたり、吐いたりして気管に入ってしまう場合もあります。
獣医師によると、1回に飲む量は20ml程度で、何回にも分けてあげるのが安全とのことです。
一度に大量に飲めば飲むほど良いわけではなく、哺乳瓶やシリンジで与えている限り、細心の注意が必要です。
(※生後1か月弱でも、ミルク缶の記載にあるように1回のミルクの量「40ml」は多いと思います。生後1か月過ぎで自分でお皿からミルクを飲める子猫でも、1度に飲み切るのは20ml位です。離乳してからも胃袋はまだ小さいですので、少しずつ何回も飲んだり食べたりします)
ぐったりしている、呼吸音がおかしい(クフ、クフと鼻から音がする、ゼロゼロ聞こえるなど)、ハァハァ呼吸が荒い、普段より体が熱くて熱がありそう、いつもと違う場所に出てきてうずくまっている、明らかに元気がないなど、様子がおかしかったらすぐ受診してください。
一刻を争う場合があります。
【赤ちゃんの週齢 目安】
歯が生えていても、弱っていて自力であまりご飯が食べられなかったり、
離乳したてで完全にフード移行していないような小さな子猫(生後1か月前後)の場合、
ミルクも与えながら、フード(ウエットが食べやすい)を併用して与えると良いと思います。
ミルクにウエットを混ぜてペーストにするのも良いです。「子猫ちゅ~る」「エナジーちゅ~る」も試してみて下さい。
(↓生後1カ月弱とみられる子猫。歯が生えていたが平均より小さく、痩せていたため最初のうちミルクも併用)
生後1か月前後で離乳食を始め、ミルクを皿から飲めるようになり、トイレも自力で出来るようになりますが、
少しずつ何回にも分けて食べたり飲んだりします。
まだまだ体調も急変が心配で、離乳食を始めて下痢するなどで一気に体調を崩す場合もありますので、目が離せません。
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ここからは、実際に生後2~3日の赤ちゃん猫を拾い、育てた記録を参考までにご紹介します。
体重の増え方やミルクの飲める量、排せつや健康状態などは個体差があります。
あくまで『赤ちゃんを緊急保護して慌てふためく一般人が何とか育てあげた一例』としてお読みください。
何か心配なことがあれば自己判断せず、すぐに動物病院へ!!
■保護当日(6月・推定生後3日)
体重78g
保護状況:駐車場内で1匹でポツンと落ちており、大きな声で10分以上鳴いていた。
梅雨時、18時過ぎで肌寒く、アスファルトに腹ばいで落ちていたため、お腹が冷えていた。
毛布でくるみ温めながら動物病院へ直行、1時間後診察。体温36.1℃(通常は37~38℃、36℃を下回ると低体温で危険)。
元気はあり。じっと寝ているか、起きるとギュ…ギューと鳴いてウネウネ動く程度。
排便あり。診察室でミルクを飲む。
へその緒が付いている→自然に取れるのでそっとしておく、取れた跡がジュクジュク赤くなるようなら病院へ、とのこと。
病院で、当面の粉ミルクとシリンジをもらう。
とても小さいので、シリンジの先端に点滴チューブの先をカットして取り付けた特製シリンジを頂きました。
柔らかく細い管がお口の中にうまく入るため、小さな赤ちゃんにはとても便利なものでした。
夜中も含めて、ほぼ2時間おきの授乳開始。1回=3ml位。
赤ちゃんベッドはキャリーケースに『ゆたぽん』、毛布。
保温用具が暑くなったら赤ちゃんが自分で移動できるスペースを確保。
毛布やタオルはもぐりこめるように多めに入れましょう。
キャリーケースだと部屋間の移動が簡単です。
先住猫さんがいるお宅では、
万が一の感染防止のため、生後2か月程度で血液検査やワクチンが終わるまでは猫同士が接触しないよう注意し、
子猫の世話の後は手洗いするなど間接的な接触防止にも努めましょう。
ノミダニ予防薬は6週齢位まで出来ませんが、汚れていたりノミがいても極力、赤ちゃんは洗わないでください。
詳しくは■子猫の育て方・実践編(週齢ごとの育て方、子猫に多い病気など)
■2日目 90g(授乳回数13回)
寝ている間、バッと顔を上げたりビクッと動いたりする。
ミルクの飲みが良くなってきて力強く動くようになる。ミルク飲みの途中でパタっと寝てしまう。
ウンチ1回。
■3日目(授乳回数14回)
元気が良くミルク飲み中も動くためしっかり保定しないと飲ませづらい。
前足の力が強くなり前へ、前へ進もうとする。
シリンジのゴムが硬くなり交換。飲む→少し休む→また飲む→寝る。
ウンチらしきもの?少し。
■4日目 108g(授乳回数10回)
ウンチなし。
おなかがポンポコリンで丸々してきた。声が大きい、よく鳴く。
人の声に反応して起きて登ってくる。人の指や自分の手のひらを吸う。
シリンジ硬くなり交換。
1回に飲める量が少ないためミルクを飲んでいる間に器のミルクが冷める→ミルクの器をお湯につけておき保温しながら授乳。
■5日目(推定:生後1週間目)127g (授乳回数9回)※シリンジ→哺乳器へ変更
寝る時間が長くなりミルク間隔が減ってきたと共に1回に飲める量が増えてきた。
へその緒はまだ干からびて付いている。
耳が立ってきた。2日間ウンチ出ず受診→溜まってはいないとのこと。
おしっこが溜まっていた、もっと強めに刺激してよいとのこと。
■6日目 149g(授乳回数8回)
哺乳器の乳首→購入した状態だと切れ目が最小限のため、かなり強い力で吸わないとミルクが飲めない。
カッター等で少しずつミリ単位で切れ目を広げ、哺乳器をさかさまにしてゆっくりと1滴ずつポタ、ポタとミルクが垂れるぐらいが丁度よい。
ミルクが出過ぎても喉に流れ込んでしまい誤嚥性肺炎の危険があるため、乳首の切れ目を広げ過ぎないよう注意。
(乳首の替えはアマゾンでも購入できます。※歯が生え始めるとミルクを吸いながら乳首を噛みちぎることがあるので予備があると安心)
この哺乳器と「森永ワンラックミルク」で育て、幸い下痢はしませんでした。
ミルクは、離乳後も当分は併用して飲みたがる場合が多いので、しばらくは必要です。
(離乳して自分でフードも食べるがミルクも欲しがり、その度にお皿で与えていましたが、段々と自然に欲しがらなくなり卒乳しました)
■8日目 160g(授乳回数7回)
耳が半分立ってきた。6月半ば、暑くなってきたためベッド内『ゆたぽん』を中止。
■9日目 192g(授乳回数8回)
あおむけで両手をヒラヒラさせてパラパラを踊っているような仕草。
授乳前にオシッコさせる方が飲みが良い感じ。
マイクロファイバーのモコフワタオルを敷き膝の上で授乳、そのままタオルでくるんで寝床に置くと安心してそのまま寝る。
■10日目
バナナウンチ2回
1回にミルク20mlを何度かに分けて飲み切る。尿量も増えた。
授乳間隔は4~6時間空くこともあれば1~2時間の時もあり(起きたら授乳)。
明らかに大きく、重くなりしっかりしてきた。
■11日目 220g
おしり周りが赤くなり薄い皮がむける→受診。
表皮がむけているが心配はないとのこと、ワセリンを1日2回塗る。
1日10g体重が増えていれば順調、現在1日に20g位増えておりとても良いとのこと。
この週齢でウンチが既に自力で出るようになっているのは珍しい、良い便なので自力で出る、
ゆるいと肛門刺激しないと出ないとのこと。
もうすぐ目が開きそう。目は急に開くが開いてから2~3日はまだ見えてはいないそう。
耳がだいぶ立ち、耳の中が少し見える。
■12日目(推定:生後2週間目)
目が開きそうな雰囲気。
■13日目 255g ※開眼
おぼつかないが歩行する、毛づくろい、掌をなめる。
ウンチ少し。ミルクは最初に15mlほど一気飲みできるようになった。
ミルクの後、ひざのうえでコロンコロンして甘える、人の指を吸う。
朝、目頭からゆっくりと少しずつ目が開き始め、昼にはいびつに開眼、夕方~夜にかけ完全に目が開く。瞳は黒っぽいグレー、ほぼ黒色に見える。
肛門周りの表皮はがれが毎日溜まるので拭いてワセリン塗布。
■14日目 330g
耳が半分立った。
ウンチ出ず。ニャーニャー鳴きながらヨロヨロ歩く、少しずつ運動時間を増やす。
■15日目
まだウンチ出ず。
開眼から2日、さらに活発に動き回る。
■16日目
良いウンチがスポっと出た(柿の種みたい)
■19日目 410g(推定3週間目)
お腹の毛はまだほぼ無く、皮膚は赤くてシワシワだが獣医さんによると「そういうもの」だそう。
■22日目 450g ※犬歯生えた
受診、順調とのこと。推定メス。
乳歯は犬歯のみ、奥歯が生えたら子猫用ドライをミルクでふやかすなど離乳食を併用スタートする。ウンチ少し。
じゃれつく動作が増えてくる。
■24日目 (推定1カ月弱)※他の歯も生えた&ペースト離乳食の併用を開始
ウンチが2日ほど出ておらず心配していたが、
すごい量のウンチをきばりながら排泄し、ポンポコだったお腹が一気にしぼんでシワシワになり、スッキリしたのか活発になった。
ミルク後、子猫用ちゅ~るを少しずつ舐めさせるのを開始(1本を1日で食べ切るペースから徐々に増える)。
■29日目 560g
ロイヤルカナン子猫用ドライ(極小粒で離乳スタートに最適)開始。ドライのみでも数粒ずつカリカリ噛んで食べはじめる。
この子はウエットはあまり好きではないようで、大人になってもウエットよりドライ好きに成長しました。
ドライ、ウエット、クリーム状のペーストなど好みは様々ですが、人間の食物は与えないようにしましょう。
最初のうちは1回に食べられる量はごくわずかでミルクを併用ですが、段々と食べられるご飯の量が増えていき、
フードがメイン、ミルクがオヤツ程度になっていきます。
ズッコケながらも登る動きも増え、ますます活発に。
丸っこかった耳も三角になってきました。
■生後約1カ月~2か月(※生後2か月位で1回目ワクチン、エイズ・白血病の血液検査)
目が開いたばかりの頃はポワ~ンとしてオットリしていたのに、
日々活発さが増し、とにかくじっとしておらず、
細く鋭いキバとツメで家族を噛み、よじ上り、襲ってくる阿鼻叫喚な毎日でした。
ツメは家で切っていました(子猫のうちに爪切りに慣れておく方が良いです)。
トイレは砂を口に入れたり遊んでしまうため、トイレトレーニングの際にペットシーツを敷いていたところ、
大人になっても砂ではトイレせず、シーツ派に成長してしまいました。
トイレは、大人の猫がしているところを見るとマネしてすぐ覚えます。また、子猫のお尻を刺激して排泄させたオシッコのついたティッシュなどをトイレ砂に置いておき、臭いを付けるのも良いと思います。
トイレ砂は最初のうち好奇心で口に入れることがあるので注意です。細かい砂の方が食べにくいです。
鉱物系は食べてしまった場合に危険、オカラ系は食品系で食べてもあまり心配はないようですがむしろ匂いがして
食べてしまう子が多いようなので、ウッド系などの自然素材で細かい砂が良いかもしれません。
ご飯は初めの好みのままドライ派に成長、生まれつきそれぞれ好みがあるようです。
■生後約2カ月~3カ月(1回目ワクチンから1カ月後に、2回目ワクチン)
家じゅう走り回り、飛び回り、ひたすらジャレつき噛んでくる毎日でした。人間は傷だらけ。
電池が切れるとコテっと寝てしまいます
■生後約3カ月~4カ月
生後1か月頃から半年ぐらいまでは、特に色々なことに興味が出てきて、思いがけないイタズラをしたり、
変なところに入り込む、勢いよく飛び出てくる、後追いしてきて足元に気づかず蹴ってしまうなど、
閉じ込めや事故・逸走に特に注意が必要なヤンチャ期です。
おもちゃ、猫じゃらしなどの誤飲にも注意です。
■生後半年
遊び盛りですが、分別がついてきて少しずつ落ち着いてきます
1歳までは、子猫用フードを与えることが推奨されています。
獣医師と相談のうえ、適切な時期に避妊去勢手術を行います(手術後は太りやすくなる傾向)。
1歳以降は、毎年1回の混合ワクチン接種をします。
■ミルクボランティアさんお勧め 育児グッズ&アイデア
電子レンジで温める湯たんぽ「ゆたぽん」&「湯たロン」。
「湯たロン」はゆたぽんより耐久性に優れており、温かさも緩やかで長く、優れています。
スープ用の保温水筒:ミルクを作るお湯、保温するお湯、掃除や子猫の汚れを拭くのにペーパーを濡らすなど、
お湯を最初に汲んで持って行っておくと便利です。
子猫の保温のためローテーブルの上にケージを乗せ、授乳やトイレの作業などローテーブルの上で行い、
ゴミが出たら机の下のごみ袋に捨てる→床で平面で行うのと比べるとすごく楽です。
それをお風呂椅子に座って作業すると足腰の疲労が全く違います。