全国動物ネットワーク 代表 鶴田真子美
2022年5月7日
全国動物ネットワーク(ANJ)は原発事故によって警戒区域等に取り残された犬猫を救出し保護するために結成された全国150以上の団体からなるネットワークです。今や国は同行避難を推奨し、各自治体でも同行避難場所の確保や啓蒙が盛んに行われています。工事現場の猫は、その原因が災害であれ整備事業であれ、「取り残された」という状況は同じです。愛護動物が人間の保護の及ばない環境下、あるいは、危険で生存が困難な状況、怪我や事故に巻き込まれる可能性のあるという意味では災害時と同じです。飼い主のいない猫は法律では飼い主のいる猫同様に愛護動物として人間の保護管理が必要です。このことを前提としてANJ代表として意見申し上げます。川崎市は人権条例策定等、先進的な取り組みで他自治体をリードして下さっています。この問題にも先駆的な模範をお示しいただきたくお願いいたします。
意見1川崎市は整備事業下で危険な目にさらされる飼い主のいない猫の生存対策を入れたものへ当該計画案を改定して下さい。
理由 法律家は福田市長にあてて「生息している猫達を無視して彼らを重機で踏みつぶすような工事を行ってはならない」ため対策をたてるように申し入れをしており、平成18年環境省告示第26号(最終改正 令和2年環境省告示第21号)がその根拠です。
意見2 整備事業対象地域に川崎市動物愛護センターの現地出先機関を設置し、保護スペースも確保してください。
理由 過去10年以上にわたり、整備事業の対象となるJFEスチール構内は猫への給餌給水を禁じ餓死、衰弱させるという動物愛護管理法違反の可能性の高い行為を続けた挙句、現在は過酷な場所で不適切な「地域猫」を行っています。その結果、令和4年6月に生産が停止するJFE渡田には現在多くの猫が生息していると思われます。さらに令和5年9月に高炉休止となる扇島のJFE跡地の整備が続きますが、ここにも地域猫と称して負傷する猫が続出するような悪環境下で猫が取り残されています。JFEの大きな「置き土産」を川崎市がどの様に対応するのか早急に決めて公表なさるべきと考えます。国民の多くやマスコミが求めるように、川崎市が主体となって、保護シェルターを設置するなどすべきです。川崎市の今後を左右する臨港部大整備事業に相応した動物愛護実務を行うためにはこの問題に具体的に従事する出先機関を早急に設置し職員を配置する必要があります。